hirausan

死ぬまでにやったこと

IT会社で働いたら拉致されて風俗のサクラを強要された話

今から13年前のできごとだから記憶違いもあるかもしれないのは容赦いただきたい。

自分が19歳だったころ知人のツテで小さなIT会社で働いていた。その頃の僕はウェブサイトの企画、顧客との打ち合わせという名の折衝、デザインからコーディング、PHPというサイトに係るほぼすべての業務を行いつつ、新しく入ってきたデザイナーの子(好みだったけど肩幅が広かったから好みじゃなかった)の教育とかをやっていたと記憶している。

週5で実質一日12時間位働いて月12万という単純明快な給与には大して文句はなかった。今思えばめちゃくちゃ文句があるんだけど僕は物欲がなかった上に、自由に好き勝手やれる点で割と楽しんでいた。

社長との距離は近かった。というより社長くらいしか話す相手があまり見当たらなかった。技術を信頼されていたのもあるけれど、ものすごい勢いで人が入ってきて且つものすごい勢いで人が辞めていく職場だったからでもある。彼はそもそも社長になるのが夢の男だったらしく会計を学んで会社を作ったという今の僕であればいかにも見下してしまいそうな人物だった。P/L、B/S、C/Fとかなんて経営やってりゃすぐ読めるようになるんだから、会計なんて経理と税理士雇えよって思ってた。(ウソ、今だから思ってるし俺も最近税理士雇った)起業について手段が目的化している彼にはやはり理念も情熱もない。あるとすれば会社、ひいては己を大きくするということくらいだろう。技術や通信に関しても関心はほぼ見受けられず、時代が IT!そうだIT!ITしかない!いまこそITだ!って叫んでいたから選んだというきわめて安直な理由だっただろうと失礼ながら推測する。自社が作るものにだってプライドもこだわりもなく、プログラムに関しても「動けばいいよ〜っ」とか果てはウェブサイトなら「見えればいいよ〜」ってくらいで被雇用者としてはある意味で都合のよい存在でもあった。僕はアイデアを求められるとつい考えてしまう癖があったし、出すアイデアは全部褒められて通ったから気分は良かった。彼はまるで経営者の鑑である。しかしめんどくさくなって割とすぐに辞めた。なぜならめんどくさくなったからだ。職業選択の自由はとても自由だ。


しばらく経ったある日、その社長から僕に連絡が入った。どうせなんかWeb系のことを手伝ってほしいんだろうなって思った。半分は当たっていた。そしてすべてが間違っていた。


どうやらIT(なんていってもなんの技術性も要視されないただの一般店舗やネットショップのサイトづくり)は、結局あんまり儲からないってことに気づいたのかは知らないけれど、あろうことか従業員には内緒にして風俗店(ホテヘル)を立ち上げるらしい。即ち要件は僕にはそれに色々関与してほしいという頼みだった。僕はあんまり関わりたくないけれどサイトなら作ってもいいし、単価30万でやりますよと伝え、僕の風俗店サイトづくりがはじまった。

明らかに容姿の劣る女性の大量の画像素材が.zipで届き、フォトショで選択範囲をぼかして#FFFFFFに塗りつぶすという作業をJSで自動化してたんだけれど、パラパラ漫画のようにぶっさいくな女性達の口元が高速で白くなっていく画面を眺めてコンピュータってこんなことの為に生まれたはずじゃなかったのになあとフォン・ノイマンに申し訳なく思っていた。でもあいつ原爆作ってたしいいか。


プロダクトに情熱もなく(少なくとも感じられない)金儲けしか考えていない(少なくともそう感じる)社長がIT業で大して儲けられないように、その風俗店もあまりうまくいかなかった。彼の能力や努力について言及するのはよそう。なぜならば風俗店は難しい課題がたしかにある。風俗嬢がいないと客はもちろん来ない。しかし客がこないと風俗嬢が辞めてしまうジレンマを抱えているからだ。……と、がんばって擁護してみたけれど、そんなことはあらゆる商売でいえる。


そこで、なんとか嬢の在籍を持続させるために彼がひねり出した秘策がサクラである。きわめて古典的である。古典自体は別に悪くないが、サクラはダサい。(おれは2chの自分のスレで自演したことは一度もないぞ!)


そしてここからタイトルにあるように自分に波及する事件がはじまる。長い前置きお疲れ様でした。
ある日、社長から連絡が入り、大きな案件があって打ち合わせに是非参加してほしいと頼まれた。僕は生活に困窮していたので快く引き受け、家まで車で迎えにきてくれりような高待遇で気分が良かった。向かった先はあの大阪だった。到着すると車は路肩に止まり彼が僕に2万円を渡してこう言った。「悪いんやけど打ち合わせは嘘で今から〇〇(立ち上げた風俗店名)で遊んできてくれへん?」と。


もちろん僕は断ったんだけど(ぶっさいくな写真を散々見たのもあるけれど)、拒否した瞬間から緩やかな脅しがはじまった。ヤクザという言葉を意図して避けたのか、それかなんとなくカッコつけたかったのかはわからないが「おれにはヒットマンがおるねんわかるやんな?頼むわ」をはじめ、「このまま帰すことはできない」など、断れない状況を作りはじめた。

もちろん承服しかねるわけだが、わかりましたというまで家に永遠に帰られない気がしたのと、まあ店には行って嬢と行為さえしなければいいだろうと思ったのもあって1時間位の膠着の末に了解した。了解してしまった。はじめて風俗店に入り、意外と狭いな〜とか思いながら、どれを選んでも最悪だけどコイツは断りやすそうみたいな顔した女性の写真を指差した。10分ほど待ったらその写真を公園かなんかに20日ほど放置したような顔の女が出てきてまさに面食らって倒れそうになった。

その女は「お兄さん若いのにイケイケやねえ〜顔も好みで嬉しいわ〜」といった自分にとってはまったく嬉しくない事をほざきながら腕を強引に組んできた。ホテルは近所らしくそこまで歩いたわけだが主観では100kmくらい歩いたような感覚があった。気を紛らわすために、ホテルって高いんじゃないの?2万円で元取れるの?とかどうでもいいこと思ってたんだけど風俗店にはなんらかの割引があるみたいで女は受付の老婆に紙切れを渡して僕たちは部屋に向かった。エレベータは煉獄のように感じた。部屋につくと女と思われる塊がシャワー浴びよ〜〜ンみたいな音声を発したので恥ずかしいから一人で入りますと僕は言った。可愛い〜ンみたいな音声を発したので無視して風呂に入った。当時風呂がない家に住んでたので風呂に入るのは嬉しかった。風呂から上がってどのような手法で行為を回避するか散々悩んだ末によくわからない奇病の発作を起こせばいいと確信して安心して部屋に戻るとテレビの下にスーパーファミコンがあった。天国かと思った。「ぼく、実はセックスが本当に苦手でただ女の人と二人でちょっと過ごしたかっただけなんです…」って相手も傷つかないこの世で最良の申告を数ミリ秒で思いつき、延々とマリオカートすることにしてようやく難をのがれた。


のがれたつもりだった。


塊はなぜか俺のことをやたら気に入ったらしくマリカーで対戦しているにも関わらず俺の股間をまさぐりだした。ぶっ殺すぞてめえとはなかなか言えず、「だめです奥さん!」みたいな雰囲気で拒否をしつづけたのだけれどジーンズの中に手をつっこまれて色々いじられた。「あーやっぱり興奮しないんだねえ〜ン」みたいな空気の振動が耳に伝わり気づけばおれはすべての思考を停止させていてテレビ画面に映っていたジュゲムがあなた逆走してますよ!ってがんばって通知してくれている姿を90分間くらいぼーっと眺めていた。

おわった。解放されて放心状態のおれは、ノコノコを使ったせいで勘違いさせたのかもなあって考えていた。


まあ、こんだけいってしまったので罪滅ぼしとして微力ながら宣伝しますがその会社のウェブサイトのリンクです。ECサイトの構築から運営まで、インターネットビジネスをトータルサポートしてるそうなので関心がおありの方は是非ご検討されてください。
ちなみにAdobeからOSまで全部違法コピーを使ってる会社だったのですが僕がACCSに通報したら動いてくれたので安心してください。

(※やっぱめんどそうだから消した。)

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