hirausan

死ぬまでにやったこと

血をあびるほどの爽快な体験

年をとったせいか、虚無感に気付いたのか。はたまた年をとり過ぎたせいか、無の境地に辿り着いたのか。まるで興味を失っていたにも関わらず、とりあえず買っとくかといった軽い気持ちでPS4買ったみたのだけれど今日までのおよそ一ヶ月の間、あくる日もあくる日も朝まで画面に齧りついてる。


交感神経さえ上手に刺激してくれれば良い
主人公が強くなるけど敵も強くなって相対的には弱くなるといったものにいい加減に飽きたので、もはやゲームに求めるのは適度な緊張による過集中と開放の達成感だと僕は思っているわけだけれど、近頃のゲームは映像美だけでなく、それの支援もうまくできているような気がする。馬鹿の一つ覚えのように逐一の行動にオートセーブが働き、死んでもペナルティなく直前からリトライできるので徒労に心をへし折られる心配もない。1シーケンスがとても短いので、途切れる事なく次の集中へと移行できる。短すぎて一つ前にどんなことをしていたのか忘れてしまうくらいだが、別に忘れても困らないブツ切りのシナリオばかりだったりする。マップやHUDに目的地が表示されているので断続的に遊んでも迷うことはない。僕が小学生だった頃は強敵の倒し方に考えあぐねたり、ノートに必死にメモをとったりしていたけど、これからはもう脳みそなんて使わなくてもよくなったわけだ。反射神経さえ上手に反応させていれば良い。



爽快な殺人体験に慣れてくる
降って湧いた出所不明のコインや風船を集めれば高得点。このようなものはきっとプレイヤーがすぐに飽きてしまうのだろう。定量的な指標の代わりに与えてくれる刺激はきわめて強く、もはや天井に到達しているといっても良いと思う。殆どのゲームは何かを破壊することが目的のものばかりで、もちろん人間オブジェクトも例外ではなく、返り血を浴びながら大量に殺しまくるゲームだって多い。"殺すことも可能" だったとすれば、それは現実世界も同じことなのでプレイヤー側の道徳次第とも言えるわけだが、殺さないと次に進めなかったりと逆にペナルティを課されたりする。くりかえし慣れてくると画面に人間が居れば「そいつは殺せるだろう」といったアフォーダンスの様なものすら獲得してしまう。


映画や小説や、あるいは名探偵コナン。いや、未来少年コナンですら殺戮シーンはあるので、いたずらにゲームだけを矢面に立てるのはどうかとは思うが、他を引き合いに出せば出すほどゲームの立ち位置は悪くなってしまうので仕方ない。自機が代理するとはいえプレイヤーの行動には変わりないし、その殆どの殺人には大した動機がない。倫理の欠片もないのが今のゲームだったりする。こんなことをいいながら個人的には割とどうでもよくてまともな人間ならそのくらいの判別くらいできるだろうと思うけど、駅とかでたまに見かけるような人とかを思うと少しばかりか不安にはなってしまう。海外サードパーティ製とはいえ殺戮を奨励するゲームをソフトラインナップに堂々と居並べる会社が、別では生命保険を売ってたりするのもなかなか変わっていて面白い。ゲームが与えてくる爽快な体験を僕はさくさくとこなしている。


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