hirausan

死ぬまでにやったこと

ヌイトストア開店した

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nuito.stores.jp


バンドは金がかかる。特にヌイトは効率が悪いのでスタジオ代も月10万とか平気で上回ってしまう。自分の会社の一部問として無理やりねじこんでるからお金は無尽蔵に使えるんだけど、そうしてしまうと道楽を通り越してボランティア感が出てしまい精神衛生を保つためにも独立採算的に運営し、せめてプラスになるようにと心がけてる。オーナー社長とはいえ大きい顔して社内リソースを利用しずらいって理由もある。やはりいずれも自分の精神のためである。


自主企画なら一回あたり50万以上は稼げるんだけどライブは非常に精神を摩耗するのでもっともっと効率的に回収する必要がある。というわけもありStores.jpで衣類ほかを売ることにした。Tシャツは外注していて1着あたり1000円くらい。これを2300円で売ってる。パーカーは3000円を4800円。出荷及びピッキングコストなども含めた平均粗利は50%を超える程度に設定している。在庫リスクは最小化するためにかなり少量の生産にしていて、迅速に生産できるものはstore.jp上において在庫無制限で販売している。すなわちオーダーが溜まったら発注するというサイクルの短い、半受注生産みたいな仕組み。


開店して24時間が経った。今のところ160件くらいの受注があって、70万くらいの売上。やはりカルトなバンドは換金しやすい。意匠は僕が結構試行錯誤してしまい割とかなりの時間かかってしまったのでそのあたりを計上すると微妙な感じもするけど、暇つぶしみたいなものだしいいかなと思ってる。

今月中にも新たなアイテムをいくつか投入しようと思ってる。もっと金下さい。

NUITOの新宿MARZで行ったライブ映像を公開した

youtu.be


NUITO、カメラ6台による復活ライブ東京編映像フル尺で公開 - 音楽ナタリー


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HIPLANDMUSIC社のカメラクルーにより6カメで撮影されていたためシーケンス内は針地獄さながらで「悪いし編集おれやるよー」と軽はずみに言ってしまったことを本当に本当に後悔した。もう1カメでいいんじゃね?って編集行為中に何度も発音していたのを覚えている。(あるいはカメラ毎にバラでアップして別窓で同時に再生させるのもよかったような気もする。同期はしらん。)作業に伴う多量のプレイバックもあってか収録されている楽曲にも飽き、もう見たくもないし聞きたくもないし、ましてや演奏なんて……この話は暗くなるからやめておこう。


かくしてフル尺でアップしてしまったわけだけれどヌイトはきわめて本質的にネタ切れを起こしているのでそろそろ地道な曲作りを再開しようと思っている。やる気はやはり無ではあるのだけれど、こういうことをやってないというだけでなにも生産していない気がして不安になってどうせ真面目に進めるんだろうなとか予想すると自分が薄弱であることを理解して、憂鬱になって、すると酒呷ってどうでもよくなって結局何一つやらなかったりして、どうでもいい他人の深刻な悩みとかに耳を傾けては己が役に立ってるような錯覚に安心を与えられ、そうしてなんとか今日も生きながらえているようなのでさっさと曲作ろう。

NUITOというバンドを再開した その1

 



ヌイトはこんなバンド


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マスロックバンド・NUITOが約7年ぶり復活 - 音楽ナタリー

京都の伝説的マスロックバンドNUITO、活動再開 | BARKS



動機について

30代に入ってから体力がみるみる落ちている実感がやっぱりあって、それでは運動でもするかってことになり同志社のプールに通ったりしたんだけど水の中はめっちゃ息が苦しくて行かなくなってしまったので代わりにヌイトを再開することにした。


というより、体力やそれに伴う集中力の問題でいずれはできなくなるだろうから今のうちにやっとくかといったのが強いか。そうでなくともこういった体力消耗の酷いバンドをたとえば50代とかでやるとなるといよいよ滑稽さや、あるいは悲壮感を漂わせてしまうだろうし、もっと老いればマスターズ陸上みたいにバイアスを通して見られかねない。


いや、もう一つあった。会社を始める前にこのバンドをやっていたころ、つまり2009年の24歳の自分に戻りたい願望というか、戻ったらなにをしよっかなとか、誰に会ってどんな話したら面白いかなとか、このような不毛だとか心身に絶対良くないとかもはっきりと解りながらもしょうもない妄想をもう何年も行い習慣化している。そんでやっぱり憂鬱になってめっちゃ寝てる。安定極めたような暮らしが退屈なのがおそらく原因なのだろうけど、あのとき続けていたら今は楽しかったのなあとか……あれ、改めて考えてみると社会人のおっさんが若いころのバンド再びやってあの頃に戻ろうぜ的な活動と同じかもしれんと思ったけど書いててまったくその通りだから本当しょうがない。


いや、まだあった。自分は割と中身の無い人間だと自覚していてその上、そのような人物はいないほうが幾分マシみたいな強迫がある。他人と関わりを持つためには、せめて共通する活動行うなど媒介する何かが必要だと思っている。その場に存在することが許されないとまでいうと過剰かもしれないけれど、居座り続けたりできる勇気がないので端的に表すと同じだ。たとえば仕事でタイムカード押して周りがめっちゃ働いてるのに自分だけなにもしないのを毎日続けられないのと同じような感覚といえばわかりやすいか。そういった性質が自分にはなんとなくあるので、あるいは再び友人と呼べる人々が欲しかっただけかもしれない。現に7年の間、ホームと呼べるはずのClubMETROには近づくことすら出来なかったのがなによりの証拠だ。



復活発表からの発作

もともと自分はパニック障害を持っていて、閉鎖環境がとにかく苦手だ。たとえばエレベータも好きじゃないし映画館や高速道路といったものは強いストレスを感じる。テーマパークのアトラクションの様な、終了するまで自分の意思で中止不可能な環境はほとんどの確率で発作を起こす。抗不安剤を服用して挑むのだけれど、ラリった上になんだかんだ緊張して何が楽しかったんかよくわからんかったなあといったどうでもいい感想しか残らないことがよくある。実際USJきゃりーぱみゅぱみゅハリーポッターには殺されかけた。出番になれば逃げ場のないライブはそれと同様、いやそれ以上だ。ただ受動的に我慢すれば良いというものでもなく、高精度な演奏が求められる。したがって抗不安剤にすべて任せるというわけにもいかない。そんな僕だけれど復活を発表した3月の時点では時間的余裕もあってか、あるいは馬鹿だったのかこれに現実味をまったく省みることなく、まあなんとかなるだろとか根拠ない自信で余裕があった。しかしそれが大きな間違いだったことは数日後に思い知らされる。僕は7年の間で、弱くなっていたようだ。


HollowRanというカルフォルニアのバンドがいる。ある日、Facebook上で彼らからメッセージがやってきた。いわく自分たちはヌイト信者でめちゃくちゃ影響受けている、近日ジャパンツアーを行うのでお願いだから観に来てくれという内容であった。普段ライブを観に行くのはだるいし、音大きいのとか不快なので滅多に行かない僕だが、自宅からほど近いライブハウスでやることもあって重い腰をあげて観に行った。日本のゲームやアニメーションが大好きだといっていたので、お土産としてプリキュアのタオルを人数分買って持って行ったが、プリキュアの存在は知らなかったそうで非常に気まずい思いをした。この作品は平井さんのお気に入りですか?と訊かれたが正直に大嫌いと答えてしまい気まずさはより拍車がかかった。


この日、僕はめずらしくオープン時間から入場していた。1バンド目、アマチュア臭いバンドが登場した。あろうことか1曲目の出だしてトチってやりなおしていた。それを見た僕はもしこいつが自分だったらどうしようみたいな今考えるときわめて無意味な感情移入をしてしまい急な不安感に襲われ、まもなく強い発作が現れた。その日食べたものを超える量をトイレで吐いて、デパスをODギリギリまで飲んでようやく落ち着いて事無きを得たが、この一件以来、ライブハウスという環境でパニック発作を起こしてしまったという事実と、それに伴う予期不安が表面化し、同時に自信を完全に喪失した。


これが3月の中頃、ライブまであと3ヶ月を切った時点のこと。




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その2へつづく

冬季うつや不眠症に効くと謳う『VALKEE』を自作した

やっぱりというか、今年の冬もやる気がなくて駄目だしどうにかならんもんかなと思って冬眠する方法を探してたらこういったものを見つけた。


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valk.jp


使うとSADが良くなるらしい。

これまでのブライトライト・セラピーでは目から光を受けるものが主流でした。
しかし最新の研究により、耳孔を通じて光を照射することによって日光浴と同じ効果があることが確認されました。


従来の光療法(高照度光照射療法)といえば目、少し細かくいうと視交叉上核を通して松果体を刺激して概日リズムを整えたりするものだが、どうやらこれは外耳道に光源を突っ込んで脳に直接光を届けることで同効果を得られるという。たしかにラットの脳に光刺激を与えて脳が反応してどうのこうのといった記事を読んだ覚えがあるけど、そもそも耳に光を当てても脳まで伝播してくれるのか想像つかないし、届いたからってセロトニンメラトニンが生合成されるのかわからない。エビデンス読んでも釈然としないし、なんかとても期待できそう。

つまり嘘か真かはどっちでも、いやどうでもいいんだけれど、耳になんか突っ込んでいるのって不快だし、定価3万円とやけに高価な割に製品画像を見てみるとバッテリー給電の光るイヤホンといった猿でも作れそうな代物だったのでさっさと作った。
(電子工作したことない人でも真似して作れるように書く)


使ったもの

カナル型イヤホンx1 必須 ハウジングが大きいと作業が楽
超高輝度白色LEDx2 必須 φ5 3.5V 20mA
抵抗x2 必須 電流制限用 82Ω
ケーブル 1m 随意 お好みで
熱収縮チューブ 随意 見た目を気にするなら
モバイルバッテリー 随意 過充電防止でないもの
USB/ACアダプタ 随意 上が無いなら
USBケーブル 必須 Type-A
ハンダ 必須 なんでもいい
ハンダごて 必須 常識的なやつ
プライヤー 随意 2本あると便利

購入したのは全部で1500円程。


白色LEDは超高輝度のものを使う。

Valkeeの仕様を見てみると光源から1cmの距離で照度が10,000ルクス以上、光束が最大3.5ルーメンとある。なんかとてもあやふやな感じがするけど、これらを超えるスコアを出すしかない。LEDの仕様は輝度、つまり殆どカンデラ表記なので些かややこしい。27,000mcdで半減角15度のものを選んだ。実に27万ルクス・5.78ルーメンである。(照射角は半減角二倍の30度で計算)色温度については公表されていないけれど擬似日光浴なんだから5000〜6000Kが良さそうな気がするんだけど10,000Kしか売ってなかったのでしゃあなしでこれを使う。面倒くさくてしかたないのなら超高輝度と書かれてるものを買えば大体正解だと思うけど直径1cmの物を選んでしまうと耳に入らなくなる。

保護抵抗値を計算しておく。

LEDはそのまま繋ぐと過電流で即死するので電流制限用に抵抗を付ける必要がある。抵抗値は電源とLEDの仕様による。

・保護抵抗を求める式
保護抵抗(Ω)=(電源電圧(V) - LEDの順電圧(V)) / LEDの順電流(A)

買ったLEDのVFは3.5Vで、IFは20mA、電源はUSBの5V。したがって『(5V-3.5V)/0.02A=75Ω』の抵抗値がこの場合なら理想。近似値をE24系列から探すと82Ω。コンパクトに仕上げたいので1/8Wとかの小さい抵抗を選ぶと作業が楽になる。

回路の概要

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こんなかんじ。USBから電源取って、LEDのアノード(足が長い方)に抵抗を付けるだけ。


作業の手順

1.イヤホンを外して中身を取り除く

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プライヤーを2本使うと楽に外せる。ダイヤフラムとかごちゃごちゃしたものは全部除去する。太めのケーブルを用いる場合は通す穴をなにかで拡張しておく。

2.LEDに保護抵抗をハンダ付けする

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出来る限りコンパクトなサイズになるようアノード側(長い方)の足を短く切断して取り付ける。ハンダ付けは汚くてもいいと思う。


3.ハウジングにうまいこと詰め込む

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それぞれの足にケーブルをハンダ付けしてうまいこと入れる。端子が触れる恐れがあればセロテープとかでいいので絶縁しておく。これをLとR分やるんだけど、二つ目になった瞬間に作業感を覚えてだるくなる。

4.USBから5V取り出す

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被覆を剥がすと4線でてくるので赤の+5Vと黒のGNDを使用する。データ用の白と緑は短く切ったりして殺しておく。


5.各ケーブルをハンダ付けして熱収縮チューブで仕上げる

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先の回路図通りにハンダ付けする。熱収縮チューブは外周になるにしたがって短くなるように3重くらい巻くと凹凸も気にならず既成品っぽい感じになる。

完成

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とても眩しいです。

問題点

これは盲点だったのだけれど、だいたいのモバイルバッテリーは過充電を防止するために消費電力が低い場合は停止するようで、LED2つ程度だと十数秒でこれが作動してしまう。ガンガン過充電するバッテリーを用意するか、モバイルは諦めてコンセントに挿すACアダプタを用いるか、あるいは回路の中に消費電力の高い、たとえばGPSユニットでも取り付ければ解決するはず。

使った感想

LEDがじんわり温かいせいか、耳の血行が良くなった気がする。目安使用時間は15分位らしい。せめて音楽でも鳴ってればいいんだけど、耳に何かを突っ込んでるのが不快で我慢できずに途中で取ってしまった。どうでもいいんだけど実はこれ、冒頭の一文は嘘で、会社のエンジニアが不眠症で悩んでるからと秋に作って渡したものなんだけど、足元のデスクトップPCの上に二ヶ月も放置されててすげえ悲しかった。


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